ThinkPad T23

 

T23は、T20シリーズの最後の機種です。
T20シリーズは名機と言われた600シリーズの後を受けて登場したシリーズでありますが、600シリーズと比較して、キーボードや筐体の作りがイマイチであるという評価が当時は多かったように思います。
実際、私もそう感じた一人でありまして、筐体の作りはともかく、キータッチに関しては明らかにそう感じていました。
こういった評価は、770Xの後継機にあたるA20pなどでも見かけた評価だったわけですが、A20pは、大画面液晶や処理速度が速いビデオチップを使っていたりと、大きな特色があったこともあり、それほど目立たなかったかと思います。
ユーザー層の違いもあるのかもしれませんが、T20が600Xの後継であったことが、T20はイマイチという評価を際立たせたのかなとも感じます。

 

T23ではT22までのTシリーズと違い、CPUがPentiumIII-Mへ、チップセットが440BXから830MPに、FSBが133MHzに、ビデオチップがSavageIXからSuperSavageに、といった具合にかなり変更が加えられています。
830MPを採用しているという点は、X22以後のX20シリーズやA30シリーズと同じですが、SuperSavageを採用したのはThinkPadではT23だけですね。SuperSavage採用に伴い、VRAMの容量もT22の2倍となっています。

筐体は600シリーズとは違い、パームレストからピーチスキン塗装が無くなってしまいました。
ピーチスキンの感触が好きだった人からすると残念ですね。外側は塗装されています。
そのパームレストですが、長時間使っていると、暖かくなってきます。HDDの熱であることは間違いないですが、暑い日などはちょっと不快に感じることもあります。

キータッチに関しては、A20シリーズなどと同じく、ちょっと頼りない感じです。
T20シリーズのキーボードはアルプス製とミネベア製の2種類があり、両者はちょっと打鍵感が異なります。家にはT23が2台ありますが、どっちもイマイチかなあ…というのが私の個人的感想です。若干、アルプスのほうが良いかなあ…という程度です。同時期の他社のノートPCに比べれば、大分良いとは思います。

ビデオチップのSuperSavageの性能に関しては、T22までのSavageIXと大差ないように思います。
古い3Dゲームをいろいろとインストールして試してみたことがあるのですが、Savageの特徴ともいうべき「動くゲームはRAGE Mobilityよりも速いが、まともに動かないゲームもちょくちょくある」 という点が引き継がれてしまっています。

メモリースロットは2本で最大1GBです。
注意すべき点としては、T22までとは違い、チップセットが830MPなので、PC133のメモリーしか使えません。

 

なんだかんだと言いながらも、T40がやってくるまではメインノートとして活躍してくれました。
600シリーズのような傑作機とは言い難いですが、全体的にまあまあの優等生といったところでしょうか。

   

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