ThinkPad760は、かつてのThinkPadのハイエンドシリーズです。760シリーズの前に755や750があり、760より新しいモデルには765や770シリーズがあります。760シリーズはその性能や価格から「ノートの王様」なんて呼ばれることもありました。760XLは、当時の最上位モデルだった760XDの廉価版ともいうべきモデルです。760XD/XLが登場してしばらくの後、770が登場します。
この760XLは通電しないジャンク品を激安で購入し、外装ぼろぼろの760ELのメインボードを移植して2個1したという、XLなのかELなのかよくわからない状態になってます。メインボードとグラフィックボード部分は760ELなんですが、CPUカードも含めてそれ以外のパーツはすべて760XLです。
この760XLを入手した当時は、私物として使っていたのは535Eと310でした。310にK6を載せたりしていたんですが、760XLの質感がかなり良かったことと、ニコイチして簡単に動いたことに気を良くして、メインノートとして使いはじめました。
ThinkPad760シリーズに共通のギミックとして、液晶を開けた時に、左の写真のようにキーボードが上にせり上がるという特徴があります。キーボードがチルドアップされても特にたわむわけでもなく、なかなか頑丈です。キーボードは使い込まれると渋いというか、かなり硬いキータッチになってしまうようで、あまり評判は良くなかったようです。私のところでも760ELがそういう状態でした。760XLのほうはさほど使い込まれていなかったのか、ELよりはうちやすかったです。それでも硬いキータッチであることは間違いありません。
スピーカーはパームレスト部分に左右1つずつ。ThinkPad600のような感じです。ヒンジ部分の近くに液晶のインジケーターがあり、そこにバッテリーの消耗具合を表示してくれます。その隣にサウンドのボリューム用のスライドバーがあります。これらはなかなか便利です。
ThinkPadのACアダプタのコネクタはほとんどが丸ピンですが、760シリーズでは写真のように台形4ピンになってます。手持ちのThinkPadでは、550BJが同じ形状でした。
薄型で軽量なノートが多い現在と比べると、本体はとても厚く、それほど大きくないのに意外に重いです。そのかわり筐体の剛性感はかなりのもので、非常に頑丈で、それでいて質感も良好です。液晶は12インチSVGAで、上位モデルのXDではXGA液晶になっています。
USBコネクタは装備していませんが、PCカードスロットが当時としては非常に新しい規格だったCardBus(カードバス)に対応していて、USBのPCカード(玄人志向のもの)を挿したところ、Win98se上でUSBが使えました。ただ760シリーズのCardBusに関してはかなりクセがあるといわれていて、使えないカードも結構あるようです。
CPUはMMX166MHzです。メモリは144ピンのEDOです。
ビデオチップはTridentだったと思いますが、NeoMagicと比べても体感的に遅いです。動画の再生はMPEG1がやっとというところ。
中古やジャンクでもほとんど見かけなくなってきましたが、昔の頑丈で質感が良いThinkPadを体験してみたい人にはおすすめできるかもしれません。私の家ではメインから退役して随分たちますが、今でも時々使っています。
ThinkPad 760XL